夢が醒めなくて
翌日は、家族でUSJに行った。
が、ゴールデンウィークなので園内は恐ろしくこんでいた。
そういうものだと覚悟していた義人氏は平然としていたが、お父さんとお母さんは入場を待つ行列だけで断念された……普通に遊ぶことを。
「まあ、そうなると思てたわ。」
義人氏が想像した通り、お父さんは秘書の原さんにエクスプレスパスなるものを急遽準備させた。
大行列に並ばなくても200分待ちのアトラクションに10分で乗れてしまった。
それでもお父さんとお母さんはすぐに疲れたと仰って、結局レストランで待ってらした。
私は義人氏に連れ回されて、大はしゃぎ。
何度もずぶ濡れになり、大声を挙げ、走り回り、義人氏にしがみついた。
義人氏はうれしそうに私を見ては、ニコニコしていた。
……私が心からの笑顔で、義人氏とキャッキャと笑い合うことが、珍しかったらしい。
確かに、こんなにも浮かれて大笑いしたのって、初めてかも。
「次はディズニーランドに行こうか。」
帰りに、お父さんが満足そうにおっしゃった。
「ディズニーランドなら、由未と恭匡(やすまさ)さまも来られるかもしれませんね。」
お母さんがニコニコとそう同調したけれど、
「や~。由未はともかく、恭匡さんは人混み嫌いやろ。誘って由未だけ来させたら、拗ねはるで。」
と、義人氏は肩をすくめてそう言ってから、私に笑いかけた。
自然と私にも笑顔がうつった。
ゴールデンウィーク最終日は、ゆっくりお家で過ごすはずだった。
夜にバーベキューをするとは聞いてたけど……朝、義人氏が珍しく私の部屋の戸をトントントントンしつこく叩き起こした。
「……おはようございます。」
何でこんなに早いの?
寝ぼけ眼(まなこ)をこすりながら戸を開けると、義人氏は既におでかけ準備が完了しているようだった。
「おはよ!さっき啓也くんからメール来てん。大阪に来るねんて、美幸ちゃんのグループ。見に行かへん?」
え!?
目がパチッと開いた。
「美幸ちゃんのデビューってまだ二週間以上先じゃなかったん?」
「うん。デビューCDの発売日はまだ先。でもプロモーション?各地でイベント出たり、テレビやラジオに出たりはし始めてるらしいわ。関西に来たんは初めてねんて。啓也くんが行きたいらしいし行くつもりやけど、」
「行く!連れてって!」
義人氏が言い終わる前に私はうれしいお誘いに飛びついた。
「オッケー。ほな、準備して降りてきて。朝食作っとくし。」
「え?お兄さんが?」
料理もできるんだ!
「うん?簡単なもんしかできひんけど。サンドイッチとコーヒーなら、車の中でも喰えるよな。あ、希和には紅茶やな。」
義人氏はそう言って、先に降りてった。
が、ゴールデンウィークなので園内は恐ろしくこんでいた。
そういうものだと覚悟していた義人氏は平然としていたが、お父さんとお母さんは入場を待つ行列だけで断念された……普通に遊ぶことを。
「まあ、そうなると思てたわ。」
義人氏が想像した通り、お父さんは秘書の原さんにエクスプレスパスなるものを急遽準備させた。
大行列に並ばなくても200分待ちのアトラクションに10分で乗れてしまった。
それでもお父さんとお母さんはすぐに疲れたと仰って、結局レストランで待ってらした。
私は義人氏に連れ回されて、大はしゃぎ。
何度もずぶ濡れになり、大声を挙げ、走り回り、義人氏にしがみついた。
義人氏はうれしそうに私を見ては、ニコニコしていた。
……私が心からの笑顔で、義人氏とキャッキャと笑い合うことが、珍しかったらしい。
確かに、こんなにも浮かれて大笑いしたのって、初めてかも。
「次はディズニーランドに行こうか。」
帰りに、お父さんが満足そうにおっしゃった。
「ディズニーランドなら、由未と恭匡(やすまさ)さまも来られるかもしれませんね。」
お母さんがニコニコとそう同調したけれど、
「や~。由未はともかく、恭匡さんは人混み嫌いやろ。誘って由未だけ来させたら、拗ねはるで。」
と、義人氏は肩をすくめてそう言ってから、私に笑いかけた。
自然と私にも笑顔がうつった。
ゴールデンウィーク最終日は、ゆっくりお家で過ごすはずだった。
夜にバーベキューをするとは聞いてたけど……朝、義人氏が珍しく私の部屋の戸をトントントントンしつこく叩き起こした。
「……おはようございます。」
何でこんなに早いの?
寝ぼけ眼(まなこ)をこすりながら戸を開けると、義人氏は既におでかけ準備が完了しているようだった。
「おはよ!さっき啓也くんからメール来てん。大阪に来るねんて、美幸ちゃんのグループ。見に行かへん?」
え!?
目がパチッと開いた。
「美幸ちゃんのデビューってまだ二週間以上先じゃなかったん?」
「うん。デビューCDの発売日はまだ先。でもプロモーション?各地でイベント出たり、テレビやラジオに出たりはし始めてるらしいわ。関西に来たんは初めてねんて。啓也くんが行きたいらしいし行くつもりやけど、」
「行く!連れてって!」
義人氏が言い終わる前に私はうれしいお誘いに飛びついた。
「オッケー。ほな、準備して降りてきて。朝食作っとくし。」
「え?お兄さんが?」
料理もできるんだ!
「うん?簡単なもんしかできひんけど。サンドイッチとコーヒーなら、車の中でも喰えるよな。あ、希和には紅茶やな。」
義人氏はそう言って、先に降りてった。