夢が醒めなくて
私は慌てて洋服を選び、バッグに荷物を詰めた。
レターセットに自分の携帯番号とアドレスを記したお手紙をしたためて一階に降りると、既に義人氏は新聞を読んでいた。
素早い!
「ほな、行こか。」
お母さん愛用の大きなバスケットにサンドイッチや水筒、紙コップを詰めてあった。
義人氏は、施設に啓也くんを迎えに寄った。
啓也くんだけだと思ったら、照美ちゃんも乗り込んできた。
「2人ともお腹はすいてへん?サンドイッチあるで?」
義人氏に勧められて、啓也くんが手を出した。
運転中の義人氏が食べやすいように、信号で停止するのを待ってサンドイッチを義人氏に手渡す。
「ありがと。希和も、食べ。」
そう言われて、私も食べてみた。
……おいしかった!
お母さんがお店の人に作ってもらうサンドイッチよりも、ずっとおいしい!
ほんっとに!!!義人氏ってイヤミなぐらい何でもできるのね。
啓也くんと私がおいしいおいしいと繰り返すので、お腹がすいてない照美ちゃんも食べ出した。
あっという間に2斤分のサンドイッチはなくなってしまった。
食後に、コーヒーを水筒から紙コップに注ぎ分けて配ってから、私は紅茶をいただいた。
ふわりとネロリの香りが立ち上り、優しい味がした。
連休最終日、大阪の駅ビルはかなり混雑していた。
大きなキャリーバッグの旅行客や帰省客が行き交う広場に特設ステージができていた。
「ここ?」
こんなに人が通るところで……歌ったり踊ったりするの?
恥ずかしくないのかな。
待ってる私の方が緊張してきた。
ステージ前で待つこと、20分。
司会者の紹介で、ゾロゾロと8人の女の子がステージに登場した。
みんな頭がちっちゃくて、足が長くて、とにかく細い!
お顔よりスタイル重視で集めた?ってぐらいバービー体型の女の子ばかり。
美幸ちゃんは……いた!
後列端!
場所は悪いけど、美幸ちゃんが一番かわいくて綺麗!
贔屓目なしに、そう思った。
ぴったりタイトなミニスカートも、ノースリーブにレースの手袋も、何だか年齢よりアダルトな気がしたけど、美幸ちゃんにはすごく似合ってた。
お歌はワンフレーズずつだけどソロパートがあった。
でも口パクみたいで、マイクを持ってない美幸ちゃんの声がちゃんとスピーカーから流れていた。
曲が終わると、前列真ん中の女の子が挨拶をして、終了。
私達は目一杯手を振ってアピールしたけど、美幸ちゃんは笑顔で会釈して行ってしまった。
レターセットに自分の携帯番号とアドレスを記したお手紙をしたためて一階に降りると、既に義人氏は新聞を読んでいた。
素早い!
「ほな、行こか。」
お母さん愛用の大きなバスケットにサンドイッチや水筒、紙コップを詰めてあった。
義人氏は、施設に啓也くんを迎えに寄った。
啓也くんだけだと思ったら、照美ちゃんも乗り込んできた。
「2人ともお腹はすいてへん?サンドイッチあるで?」
義人氏に勧められて、啓也くんが手を出した。
運転中の義人氏が食べやすいように、信号で停止するのを待ってサンドイッチを義人氏に手渡す。
「ありがと。希和も、食べ。」
そう言われて、私も食べてみた。
……おいしかった!
お母さんがお店の人に作ってもらうサンドイッチよりも、ずっとおいしい!
ほんっとに!!!義人氏ってイヤミなぐらい何でもできるのね。
啓也くんと私がおいしいおいしいと繰り返すので、お腹がすいてない照美ちゃんも食べ出した。
あっという間に2斤分のサンドイッチはなくなってしまった。
食後に、コーヒーを水筒から紙コップに注ぎ分けて配ってから、私は紅茶をいただいた。
ふわりとネロリの香りが立ち上り、優しい味がした。
連休最終日、大阪の駅ビルはかなり混雑していた。
大きなキャリーバッグの旅行客や帰省客が行き交う広場に特設ステージができていた。
「ここ?」
こんなに人が通るところで……歌ったり踊ったりするの?
恥ずかしくないのかな。
待ってる私の方が緊張してきた。
ステージ前で待つこと、20分。
司会者の紹介で、ゾロゾロと8人の女の子がステージに登場した。
みんな頭がちっちゃくて、足が長くて、とにかく細い!
お顔よりスタイル重視で集めた?ってぐらいバービー体型の女の子ばかり。
美幸ちゃんは……いた!
後列端!
場所は悪いけど、美幸ちゃんが一番かわいくて綺麗!
贔屓目なしに、そう思った。
ぴったりタイトなミニスカートも、ノースリーブにレースの手袋も、何だか年齢よりアダルトな気がしたけど、美幸ちゃんにはすごく似合ってた。
お歌はワンフレーズずつだけどソロパートがあった。
でも口パクみたいで、マイクを持ってない美幸ちゃんの声がちゃんとスピーカーから流れていた。
曲が終わると、前列真ん中の女の子が挨拶をして、終了。
私達は目一杯手を振ってアピールしたけど、美幸ちゃんは笑顔で会釈して行ってしまった。