夢が醒めなくて
いつの間に、眠ってしまったのだろう。
賑やかな蝉の声。
……朝?

目を開けると、義人氏の寝顔。
……あぁ、そうだった。
私、夕べ……。

あられもない姿をさらしてしまったことを思い出して、恥ずかしくなった。
それに、好き、って……言っちゃった。
一生、打ち明けるつもりなかったのに……言わされてしまった気がする。

ひや~~~~!
どうしよう。
これから、どんな顔したらいいの?

ドキドキする
それに、何だか、じわじわと喜びが心に広がってく。

義人氏に、抱かれちゃった……キャッ!
や~~~ん!
恥ずかしいけど、うれしいよ~~~!

何か、痛いのってほんの一瞬で、あとはずーっと気持ちよかったなあ。
まるで自分の身体じゃないみたい。

起き上がろうとしたけど、がっちりと義人氏の両腕が私の身体を捕らえている。
……どうしよう。
すっごく、幸せ。

たぶん、私、ずっとこうしてほしかった……。
なのに、さんざん意地張ってた。

認めたくなかった。
いずれ捨てられることがわかってるこの人を好きだなんて。


音もなく、義人氏が目を開いた。
無言で、じっと私を見てる。

「あの……おはよう、ございま」
挨拶を途中で遮られてしまった……キスで。

舌~!

くすぐったくて、気持ちよくて、身体の奥がもぞもぞしてきちゃって……ダメだ。
こんなの、知らない。

キスってこういうものだったんだ。
息もままならない。
自分の唾液をちゃんと飲み込むこともできず涎みたいにこぼしちゃうのに、義人氏の唾液を注ぎこまれて……つらいのに、うれしい。

身体に力が入らなくなる。


「希和が欲しい。」
やっと離したその唇で、義人氏はそう言った。
私は黙ってうなずいた。

夕べも、今も、逃げる気なんて毛頭ない。
ずっとこうして抱いていてほしい。

「……あ。でも……お風呂入りたい……」
内股がベタベタのまま眠ってしまった。

義人氏の汗の匂いは気にならないというか……ずっと嗅いでいたいけど、自分の汗の匂いは嫌。
「俺も。……6時前、か。」

お母さんは毎朝7時に目覚まし時計をかけて起きる。
早くお風呂に入って、部屋に戻らなきゃ。
私はまだ夏休み中だけど、義人氏は今日もお仕事があるし。

「……じゃあ、続きは夜までお預けってことで。おいで。お風呂行こう。」
「え?」

どういう意味?
今夜も、私、この部屋に、だ、抱かれに来るの?

しかも、まさか一緒にお風呂に入るとか、言う?
おいで、って言われても……

固まる私に苦笑して義人氏はベッドから降りた。

裸!裸!
慌てて顔を背けた。

けど、自分も裸なことに気づいて、慌ててシーツをかき集めて胸を隠した。
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