夢が醒めなくて
……まあ、同意するわ。
「俺もずっとそんな風に思ってきたで。昔はホントのお兄ちゃんみたいにいっぱい遊んでもろて仲良しやってんけどな~。」
物心ついた時には、大好きなお兄さん的な存在だった。
いつの頃からか、距離ができてしまって、煙たくなって、反発もしたけど……やっぱり頼りになるよ……怖いけど。
「腐女子的にはね、原さんにたまらなく色気を感じるのよ。高そうなスーツとシャツを脱いだら、めちゃめちゃマッチョな筋肉美に鮮やかな彫り物と太刀傷や銃創がありそうな、そんなイメージ。」
正美嬢は、いつもの調子で勝手な妄想を語った。
でも俺は否定も同意もできなかった。
原さんに、刺青(いれずみ)があるかどうかは知らないが、あっても不思議じゃない気がした。
「原さんと竹原社長、今も2人ともセクシーダンディーだからお似合いだけどさ、昔はもっと萌えるカップリングだったと思うのよね。原さんはヤクザの自分を真人間にしてくれた社長に身も心も捧げてるのに、社長は結婚してしまったの。時は過ぎて、最愛の社長の息子に仕え始めたら、息子は原さんのことをずっと兄と慕ってて……って!!!いいんじゃないの?これ。描いていい?いいよね?」
興奮する正美嬢に、啓也くんは唖然としていた。
……父親じゃなく、原さんは母親に気があったと思うけど、もちろん黙ってた。
「あ~。啓也く~ん。あれ?元気ない?」
堀正美嬢を送り届けてから、啓也くんを連れて帰宅した。
啓也くんは施設を出て一人暮らしをしていたが、4月になるのを待って、うちの社員寮に引っ越した。
希和にとって兄のような存在なので、母親も何かと気にかけてるらしく、ほぼ毎日うちで俺と夕食を共にしている。
「元気ない?かな?……毎日、しごかれてるから?かな?」
希和に言葉を選んで答える啓也くんに、ちょっと心が和んだ。
「わかるよ。俺も、会社の仕事始めてから、ずーっと原さんの管理下で学ばされたから。てか、今も、原さんの手のひらの上で踊ってる気がする。」
2人で苦笑しあってると、希和がニンマリと笑った。
「さっき、正美お姉さんからメールきたの。次のBL本のネタ。元ヤクザのイケメンが、社長と社長令息の親子丼なんだって。」
「希和!」
「すげぇ。本気で描くんや。」
……てか、正美嬢。
いつまで俺をメインキャストに使うんだよ。
希和との近親相姦モノもたいがい痛いけど、今度は原さんって!
もう、絶対コミケ会場、行かへんからな!
希和も!禁止!!
「俺もずっとそんな風に思ってきたで。昔はホントのお兄ちゃんみたいにいっぱい遊んでもろて仲良しやってんけどな~。」
物心ついた時には、大好きなお兄さん的な存在だった。
いつの頃からか、距離ができてしまって、煙たくなって、反発もしたけど……やっぱり頼りになるよ……怖いけど。
「腐女子的にはね、原さんにたまらなく色気を感じるのよ。高そうなスーツとシャツを脱いだら、めちゃめちゃマッチョな筋肉美に鮮やかな彫り物と太刀傷や銃創がありそうな、そんなイメージ。」
正美嬢は、いつもの調子で勝手な妄想を語った。
でも俺は否定も同意もできなかった。
原さんに、刺青(いれずみ)があるかどうかは知らないが、あっても不思議じゃない気がした。
「原さんと竹原社長、今も2人ともセクシーダンディーだからお似合いだけどさ、昔はもっと萌えるカップリングだったと思うのよね。原さんはヤクザの自分を真人間にしてくれた社長に身も心も捧げてるのに、社長は結婚してしまったの。時は過ぎて、最愛の社長の息子に仕え始めたら、息子は原さんのことをずっと兄と慕ってて……って!!!いいんじゃないの?これ。描いていい?いいよね?」
興奮する正美嬢に、啓也くんは唖然としていた。
……父親じゃなく、原さんは母親に気があったと思うけど、もちろん黙ってた。
「あ~。啓也く~ん。あれ?元気ない?」
堀正美嬢を送り届けてから、啓也くんを連れて帰宅した。
啓也くんは施設を出て一人暮らしをしていたが、4月になるのを待って、うちの社員寮に引っ越した。
希和にとって兄のような存在なので、母親も何かと気にかけてるらしく、ほぼ毎日うちで俺と夕食を共にしている。
「元気ない?かな?……毎日、しごかれてるから?かな?」
希和に言葉を選んで答える啓也くんに、ちょっと心が和んだ。
「わかるよ。俺も、会社の仕事始めてから、ずーっと原さんの管理下で学ばされたから。てか、今も、原さんの手のひらの上で踊ってる気がする。」
2人で苦笑しあってると、希和がニンマリと笑った。
「さっき、正美お姉さんからメールきたの。次のBL本のネタ。元ヤクザのイケメンが、社長と社長令息の親子丼なんだって。」
「希和!」
「すげぇ。本気で描くんや。」
……てか、正美嬢。
いつまで俺をメインキャストに使うんだよ。
希和との近親相姦モノもたいがい痛いけど、今度は原さんって!
もう、絶対コミケ会場、行かへんからな!
希和も!禁止!!