さくらの檻の中で。(仮)
「……ん」
差し伸ばされた手に
触れると
「……あ、りがとう…明希…」
すごく、暖かくて
ちょっと泣きそうになった。
「とんでもない言い様だったな」
「…はは…」
「彼女襲うとか、何事だっての」
「…なんで、いたの…?」
「…たまたま?通りすがり?」
…嘘だ。
明希の高校は
駅の反対側なのに。
「ほら、泣けば?」
「…ふ…ぇ……」
引き寄せられた明希の胸の中は
また、あったかくて優しくて
余計に涙が溢れるんだーーー…。