さくらの檻の中で。(仮)
「はい、みんな席ついてーー!
今回抜き打ちだったわけだけど、
んー、そうだなぁ
みんな英作文苦手みたいだから
今日はまず英作文の練習から
はじめるよー!」
教室から
さっきとは違ったざわざわが起こる。
「テーマは…そう、今の気持ち!
最低、ルーズリーフの半分まで埋めてね!」
今の気持ち…か。
あたしはサラサラと書き始める。
5分も経たずに
ルーズリーフの半分なんて
埋まってしまう。
みんなのまわりを
歩いていたりっちゃん先生は
あたしのところで足を止める。
《テストが返されるくらいで
わーきゃー騒いで何が楽しいのか
わからない。
メガネ男子くんはあたしに負けて
悔しそうな顔をした。
それが滑稽で滑稽で。
英語であたしに勝てるわけないでしょ。
人のこと裏で噂するなら
徹底的に隠せば?
態度があからさますぎて
不快通り越して呆れる。
いい加減にして。》
「…」