さくらの檻の中で。(仮)


いつもの文房具屋さんまで
あとひとつ角を曲がるだけのところで


見知った人を見つけてしまった。


…最近、よく会うな……


「明希…」


塀に寄りかかってる明希は
誰かと待ち合わせをしているみたい。


「うん、来ると思った。」

「へ?」

「凪沙、おいで」


え、いや
おいでって……


「あたし買い出しに…」

買うもの買って戻らないと……


「そんなんいーじゃん。」

ぐいっと手を引っ張られて
明希の胸にすっぽりと収まってしまう。



細いから薄っぺらいけど
背は高くて力もあって、

……なんていうか……


ジャストフィット……?


心地、いいんだよな……



「ってそうじゃなくって!!!」

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