さくらの檻の中で。(仮)


「…そんなの、知らない」


認めてなんてあげないけど。


「ま、いいけど、」


それも明希には
お見通しだ。



「ここじゃなんだから
裏行こうぜ」


そう言って手を引かれて
お店の裏に連れて行かれた。

排気口の扇風機みたいなのが
ぐるぐるまわっている。


まぁ
人は来ないんだろうけど……


「あたし、明希に用事なんてない。」


話すこともない。



< 157 / 239 >

この作品をシェア

pagetop