さくらの檻の中で。(仮)
クラス中が
少しの私語を交えながら
カリカリと悶々と
課題に取り組む中、
あっという間に終わってしまった
あたしはぼーっと外を眺める。
窓側の席は、いい場所だ。
どこかのクラスが体育をしている。
男子がサッカー、
女子がソフトボール。
…ってことは同じ学年…?
靴紐の色をよくよく見れば、ビンゴ。
あ。
見つけた。
最近、“彼氏”になった悠真クン。
ちょうど悠真にパスが通……
……らなかった。
すこんっと空振りされたボールは
ぽーんと線外へ出てしまう。
そのまま観察していると、
悠真にゴールのチャンスがきた。
バスケで身につけた脚力で
ドリブルして
シューーーー…???
足のどこで蹴ったのか、
大きくゴールを外れて
しかもコロコロという効果音が
つきそうなくらいの弱々しい勢いで
転がっていく。