さくらの檻の中で。(仮)


大きな連休に、
明希はこの街にまた帰ってくる。


そのとき
お互い会いたいと思えば会う。



そんな単純なことだけど


すごく
難しいことのような気がする。



「これ、やる。」


そう言って自分の首元に
手を回す。


…それは……

「俺がずっとつけてたネックレス。

俺の形見、みたいな。」


「形見って…」


「中途半端な関係も終わり。
これは俺といた証。」


「…うん。」





好きなだけじゃ、うまくいかない。



好きなだけじゃ、いられない。



この、好き、が
もう恋愛感情なのかもわからない。



だから、サヨナラ。



……なんだよね?


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