さくらの檻の中で。(仮)
彩音が自分の教室に
帰ってしまい、
教室の窓から
外を見ていると
生徒の保護者やら友達やら
たくさんの人が集まってきた。
「…凪沙」
ぽけーっと外を眺めていると
後ろから声をかけられる。
あたしのこと
凪沙って呼ぶなんて、
明希とこの人しかいないんだけどーー…
「なに、…滉」
あたしは窓の外を
見たまま答える。
「誰かと回る予定ねぇのか?」
…さっきの話聞いてたな……
「関係ないじゃん。」
「寂しい奴だな。」
…知ってるわ。
なんなの、今さら。
「俺とまわろう」
「は?!」
びっくりして
後ろを振り返ってしまった。