さくらの檻の中で。(仮)
「おふたりさん、いらっしゃい!」
からあげを売っている、彩音のクラス。
すぐに気づいて手を振ってくれた。
「からあげ、3つ!」
「3つ?!お前、太るぞ「うるさい」」
はいはーいってテキパキと用意してくれる。
彩音はきっといい嫁さんになるね、うん。
もちろん滉のおごり。
さっきのひと言だいぶ傷ついたし。
「はい、お待たせ〜」
「んーいっこ滉にあげて」
「えっ」
「……なに、その目は。」
目をくりんくりんぱちぱちさせて
あたしを見てくる。
「優しいじゃん、凪沙」
ふわっと微笑まれて
不覚にもドキッとした。
……けど、
あたしが奢ってもらってるから
滉のお金なんだけど
わかってんのかな?