さくらの檻の中で。(仮)
「ほんと信じらんない!!!」
幸い体育館内はざわついていて
こんな会話誰も聞いてないと思うけど
「でも、凪沙とふたりで
会話できる人ってレアじゃない?」
「……」
たしかに。
…すごい、たしかに。
あたしが話しベタで
しかも表向きは猫かぶってるからな…
「んーまぁ、なんか
それはそれで凪沙取られるみたいで
悲しい気もするけど。」
「…彼女いるくせに」
「うん。」
一瞬ドキッとするけど
明希のこういうのはもう慣れた。
『さーーー!
候補者が全員集まったところで
コンテスト開始したいと思いまぁぁす!!
優勝者には特別な♡イベントが
待ってますので頑張ってくださいね〜〜!!』
まずは司会者から
各々の紹介がされていく。
才色兼備だとか
スポーツもできるとか
なんとかなんとか。
滉はむすっとした顔で
とりあえずステージ上にいる。
近くにはクラスの子達が
見守っているのだ。