さくらの檻の中で。(仮)

滉がぷるぷる震えていた。

「…え、滉?」

「ぷっ……ははは…っ」


わ、笑ってらっしゃる…?!


「ははっちょ、ちょっと…っ」

しかもツボってらっしゃいますね…?


「い、一気に言いすぎて
わかんないんだけど…」

「え。」

「おめでとうって、なに?」


滉は言いつつも
腹を抱えてひーひー言っている。

「え、それは
コンテストの……」


「連れ去っておいて
おめでとうなんだ?」

「え?あ、えーーと」

「ほんと勝手だよね。
教室で待ってたのにあの男と
手繋いでどっか行っちゃうし。」


……げ。

見られてたんだ…

「かと思えば急に連れ去るし。
俺の計画台無しだよね。」


「それはもう
すいません…………」


「凪沙、俺と仲良くしたいの?」

「えっ」

「ん?」

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