さくらの檻の中で。(仮)


「別に……っ!」

ちらっとあの人を見ると
目があってしまって
語尾が不自然になる。


すぐにぱっとそらして
それからは1回も視線を向けなかった。


目があった…

ってことは
あたしに気づいたってことだ。


心臓が
ばくばく、うるさい。


「なぎ、昔から
ホームステイとか行ってるもんな」

「うん、」

「英語ペラペラなんだから
すげぇよな」

「うん、」



…ごめんね、悠真


あたし
どうしても
悠真との長い未来は
見えないんだーーー……



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