さくらの檻の中で。(仮)



「凪沙」

ーードクンッ

心臓がおもたい。


後ろから名前を呼ばれただけなのに。

「聞こえてんでしょ?凪沙」


あたしのことを
なぎ、ではなく凪沙って呼ぶ人は
家族以外でこの人しか知らない……


「無視すんなよ」


あたしが無言でいると、
いつの間に横に来ていたのか
顔を覗かれる。

「…っあ、」

「ん?」

「明希……」


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