さくらの檻の中で。(仮)

「いつから俺に
そんな口聞けるようになったわけ？
俺、先輩だよね？」


…そう、明希は
中学の頃の先輩にあたる。


「それとこれとは
話がちが…」

「ん？」

あぁ、この人には勝てない。

いつもそう思う。


「彼氏とはヤッたん？」

「……まだ」

「ふーん」


あたしに彼氏がいようがいまいが
この人には関係ない。


あたしは
明希のお気に入りの玩具で、

明希はあたしのはけ口だ。


真面目で平凡なあたしに
顔はイケメンのセフレがいるなんて
口が裂けても
誰にも、言えない。

「…なんで、あたし
うまく生きられないのかな」

「ん？」


「もっと、自然と
みんなと喋れたらいいのに。

なんで、真面目、なんてキャラ
できちゃってるんだろ…」


「真面目じゃん。
俺みたいなのからしたらなおさら」


「もっと楽に過ごせたらいいのにさ、

猫かぶっちゃって馬鹿みたい」


ぽろぽろと溢れる本音。