さくらの檻の中で。(仮)
「また、新しいクラスでも
大半に嫌われるんだよ。
つまんない子、って。」
「凪沙」
ふわっと抱きしめられて
静寂に包まれる。
安心、しちゃうんだよな
悔しいけど。
細い身体なのに
力強くて
あったかくて
そこに感情はなくても
体温は確かにホンモノで。
明希の、香水の匂いが
鼻をくすぐる。
「大丈夫、大丈夫」
何が大丈夫なんだって
他の人が言ってれば
叫びだしそうなセリフも
なぜかこの人だと
すんなり入ってくる。
…不思議な、人だ…。