さくらの檻の中で。(仮)
「また、会おうよ」
「…え?」
いつもの倍以上かけて
家の前まで着いた時、
不意にかけられた言葉にびっくりした。
「あたし、
彼氏できたんーー「だから?」
「…」
知ってる、明希はこういう人だ。
でも、
「あたしも、会いたい」
何されるかなんてわかってる。
そこに
なんの気持ちもないことも
わかってて、言ってる。
「それ、浮気ってやつじゃねぇ?笑」
明希も、わかってる。
「違うよ」
「そっか」
それでもお互いに
求めあって今に至るんだ。