さくらの檻の中で。(仮)
ギシ…
ゆっくり隣に座ったのに
やっぱり軋んだ音がしてしまう。
「なぎ、緊張してる?」
ゆっくりした動きをするから
そう見えたのだろう。
「ちょっと、ね」
ちょっと照れたように
笑いかけると
「……ん」
優しく唇が触れ合う。
「…するの、怖い?」
悠真は、
言葉を選ぶように
あたしの顔色を伺う。
…ほら、きた。
「…はじめて、だから
そりゃあ、ね」
あたしは簡単に
嘘をつく。