さくらの檻の中で。(仮)


「じゃー、橘。これ解いてみろ」


そんな先生の声で我にかえる。

今は数学の時間。



「あ、の…えっと…」

「…」

先生にあてられた…橘さん?は
たじたじして
なにか小声でもごもご言っている。

でも
先生には残念ながら
聞こえていないらしい。


声に出さずに
笑っているクラスメイトの
気配もなんとなく感じていた。


…どんまい…


あたしは地味なほうでも
勉強は一応できるから
誰かを頼らなくても平気なんだ。

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