さくらの檻の中で。(仮)
「あ、あたし、運動…全然で…」
「んー…」
正直、運動とかいう前の問題なんだけど…
「とりあえず、後ろ向いて?」
「え、?う、うん……わっ!!?」
恐る恐るあたしに
背中を向けた橘さんを
思いっきり押した。
もちろんよろけるわけだけど。
…って別に
いじめてるわけじゃないから。
「…うん、今、さ。
とっさに1歩踏み出したのが
右足だったよね?
それが、橘さんの利き足。」
「利き足…?」
「そう。
ハードル飛ぶのにあげるほうの足。
そんで、スタートの時、
前に置いておくほうの足。
ちなみにあたしは左なんだけど」
「右足が前…」
「うん、
じゃそれがわかったら
ブロックの置き方ね」