さくらの檻の中で。(仮)
「あたしは
スタートラインから1足に左足、
2.5足に右足。
こうして固定しておくと、
どんなにずれててもすぐに調整できるんだよ」
「…なるほど…」
ふむふむと頷きながら
カチャカチャとブロックをいじる。
自分に合う場所を探しては外して、
探しては、はめかえる。
しばらくして、
フイットする場所を見つけたらしい。
「…見つけた、かな?」
「うん…!」
「そしたら次は、
足のセットの仕方なんだけど」
「え、そんなの、あるの?」
「あるよ。
スタートラインより奥に手をついて、
まず足を乗っける。
ちゃんと蹴れるように…」
トントン、っと
何度か合わせてみる。
「蹴れるように…」
真似して橘さんもコンコンっと足を乗せる。
「そんで、足を動かさないように
膝をついてから…
手をスタートラインに…」
「膝ついて、手を…」
「どう?」
「……い」
「ん?」
「すっごい、安定する…!!!」
「…っ」
キラキラの笑顔を向けられて
ちょっと、ドキッとした。
こんな風に、笑えんじゃん…。