さくらの檻の中で。(仮)
2回に分けて運ぶっていう手も
あったけど……
えぇい!めんどくさい!!
「よ…っ」
う…っ重い……
よたよた、と階段の前までは
無事にたどり着く。
…足元見えないんだけど……
教室は3階
ここは1階
運動神経はどちらかというと
良い方だと思ってる、から
イケるっしょ……!!!
一段一段、
踏みしめながら登っていると
「急げ急げーー!
パン売り切れるぞーー」
なんて声とともに
3人の男子がだだだっと
階段を駆け下りてくる。
「え。……っ」
ぶつかられたわけでもないけど
ちょっとした風にバランスが崩れーーーー
…っやばい!!!
ーーーーーと思った瞬間に
「ばか」
そんな言葉と一緒に
背中に何かを感じた。
「…びっ、くり…した…」
どうやら落ちることはないので
ほっと息をつく。
「なんでそんなん
ひとりでやってんの?」
首をまわして後ろを見ると
幼なじみがいた。