さくらの檻の中で。(仮)
「…い!おい!!」
「……はい?」
制汗剤を足に広げていた時、
頭上で声がした。
「な……え?競技は……」
「なぎ、こい!」
「え???」
な、なんなのーーーー??
走るのはいいけど
なんで上からなの?
あたしの手を引くのは
もちろん彼氏の悠真くんで。
彩音はのんきに
いってらっしゃ〜い、なんて
手を振っている。
悠真の知り合いには
ひゅーひゅーなんて言われてるし
数人の女子からは
引かれた目線が……
とりあえず
5位という微妙な順位でゴール。