さくらの檻の中で。(仮)


「さんきゅー」

ゴールして
汗たっぷりの手は離された。


「びっくりした…」


「5位かー微妙だったな」


悠真の手に握られている紙…


「わっ、何すんだよ」


「…“近くにいてほしい人”?」


まだこんなベタなものが
あったのか……


悠真を見れば、
顔は真っ赤で。

それは絶対に
太陽の熱のせいだけじゃなくて。



「…ありがと」


ちょっとだけ、
キュンとした。



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