さくらの檻の中で。(仮)


さすが、運動部。
そして男の子。

スタスタと階段をあがっていってしまう。



階段の最後の1段を登ったとき、

「あ」

…そういえば、
山本さんの好意を断ったのに
手伝ってもらってたら、なんか……


立ち止まったあたしに気づいて
ん?って振り返ってくれる。


「あ、ここまでで、いい」

「は?なんで?」

察しろ、乙女心を!

「…なんでも。ありがと」



無理に荷物を受け取ると
またその重さに足がふらつく。

「やっぱ、手伝ーー」
「いい。」


そのまま悠真を無視して
教室に運び込んだ。


……やっと、お昼だ。


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