さくらの檻の中で。(仮)


ーーガラッ

「!」


意外な人物が
お見舞いにやって来た。


「だ、大丈夫?」

「橘さん…?どうしたの…」


「や、だって
あたしが走る前にゴールで倒れるから…」


あぁ、全部見てたんだ、きっと。


「大丈夫だよ。
怪我も大したことないし。
血苦手なだけだから」


そう言うとほっとした表情になる。

わざわざ、気にしてくれたんだ。

喋るようになって
間もないあたしのことなんかー…


< 72 / 239 >

この作品をシェア

pagetop