さくらの檻の中で。(仮)
お昼を食べて
眠たくなったまま受ける授業は
ただの子守唄。
思いっきり突っ伏して寝たりはしないけど
頭はぼーっとしてる。
そんなかんじで午後の授業は終了した。
「なぎ、部活行こー?」
チャイムと同時に飛び込んできた女の子。
土屋彩音
肩につくくらいの髪は
毛先が少しふわふわしてる。
地毛だけどちょっと色素が薄くて
茶色っぽい。
保育園から一緒の、
本当の幼なじみ。
「…なにニヤニヤしてんの?」
一緒に部活行くのはよくあるから
いいとして、
彩音の顔がなんか…緩い。
「いいから〜!
さ、行くよ!」
質問には答えず、
あたしの手を引いて
玄関まで引っ張った。