朱色の悪魔
開け放たれたドアから誰かが入ってくる気配はない。
…おわ、…った……??
「っはぁ…はぁ…っ…げほっげほっ」
膝から崩れ落ちて、その場にうつ伏せで倒れる。ダメだ、動けない…。
うわぁ、やば…。血、出すぎ…かな?
世界が揺れる。霞む。赤に、染まる…。
あぁ、ダメだ…眠い…。
「っ!!!朱音!!?」
だ、れ…?ちょう、なん…さん??
耳だけははっきり音が入ってくる。バタバタと何人もの人の足音がする。
ね、むい…よ…。
「…お………っしろ!!………ね?……………あ…………か……………………」