朱色の悪魔

だが、それが分かったからなんだ?

結局は私が欠陥品であることが証明されただけなのだ。

欠陥品で、わざわざ手を尽くして生かすだけの理由も、価値もない。

「シュリ、最後の仕事だ」

切り捨てられるのは当たり前だった。

当時13歳。迷いはなかった。

与えられた仕事は、内部から崩すこと。なるべく多く敵を減らすこと。

捨て身の策であることなんか聞かなくても分かる。

だから、暴れまわった。その身にどんな傷を受けても無視して、暴れまわった。

それが、兵器として生まれた私の最期にはふさわしいと思ったから。

「っ…はは…」

気付いたら真っ赤だった。転がった人の形をしたモノは、動かない。そんな中で、まだ生きている私。

狂ってる。あり得ない。なんだこれは。

化け物。その言葉があまりにもピッタリだ。

ずるずると壁に沿って腰を落とす。もう、立つことも出来なかった。

「…あは。はは…」

訳もわからず涙が頬を伝う。
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