朱色の悪魔
「魁!?」
「…ッ由羅兄貴」
走ってきた由羅兄貴。なんでここに?家にも戻ってきてなかったからなんか会うの久々だ。
「お前、大丈夫か!?」
「別に。3人潰した。あと7人いる。…それより、なんでここにいんだよ」
「たまたまだよ。女の子の家行こーとしたら魁が囲まれてたから慌てて追っかけて来たんだよ」
「あそ…」
聞いて損した…。女の家渡り歩いてんのかよ…。
ため息ついて、とりあえず歩き出す。
「とにかく、早く戻って神哉兄貴に報告…」
ガンッと後頭部に走った痛み。崩れ落ちていく体。
っ…な、んで…。
「悪いな、魁」
由羅兄貴がそうこぼしたのを最後、目の前が真っ暗になった。