朱色の悪魔
華月が奇襲をかけたりするのは大方暗くなってから。その時間は大体19時ジャスト。
魁がなにも言わなかったということはその時間はほぼ間違いがない。
ただ、問題はここに時計なんかないから時間感覚は完全に体内時計ということ。
魁が来てからの5日間もあくまで私の感覚で感じた日数分が経ったというだけ。
だから、今日が本当にあの日から5日後だという確証はないんだ。
だからもし、私がミスをしていれば私は完全に拘束される。それだけはごめんだ。
ただ助けを待つなんて私には似合わない。それに、それは私の復讐だ。私があいつを殺す。
それだけは決して譲らない。
魁が渡してくれた薬は2回分。症状が進行している今、これでどれだけ持つのか分からない。
間に合うか…。もし、間に合わなかったときはあれを使うしかない。
そうなったら…いや、考えるのはやめよう。それに今さら怖がってどうする。
これは命がけの戦争なんだ。
耳栓を手に、薬は舌の裏に。これくらい慣れっ子だ。