朱色の悪魔
奪ったカードキーをリーダーに当てる。
ロックの解除、ドアは開かれる。広がる光景に、4人の研究者の姿。
驚いてこちらに振り返る研究者たちは、私の姿を見なりと目を見開いた。
「っな…」
「お前っどうやって!?」
「…」
指先から滴り落ちる赤。それを見た研究者たちは顔色を変える。
ただ一人を除いて。
「朱、まさか自分から来てくれるなんてねぇ。迎えに行く手間が省けたよ。さぁ、大人しくしていなさい」
ニヤニヤ笑みを浮かべるそいつは、白衣から手錠を取り出してそれを揺らす。
そんな奴の態度に3人の研究者に余裕さが戻る。
…下らない。
「…なに言ってるの」
手に入った力をなくす。そして、1歩踏み出す。
「私は、あんたらを道連れにしに来たの」
「は?」
「だから…」
指先から赤が滴り落ち、床に跳ねる。
「死んでよ」