朱色の悪魔
駆け出す。
研究者たちが焦って取り出すのは拳銃。銃口が向く。
バカだろ。お前らは自分の研究材料の利用法すら忘れたのか。
破裂音と共に体に走る衝撃。痛みは不思議と感じなかった。
手前にいた奴の顔に腕を振るい赤を飛ばす。…1人。
肩の衝撃と共に右腕が急激に力をなくす。振り返った先に2人目。
「っ来るなぁぁぁあああ!!!?」
「ッ─」
懐に入り込み、左手でその歪んだ顔に触れる。…2人目。
「っうわぁぁぁあああ!!!!!」
背を向けて走り出す奴が1人。敵前逃亡なんて、愚かとしか言えない。
倒れた研究者から拳銃を拝借。迷わず向けた銃口で、狙うは足。1発。多少照準は狂ったけど、まぁ足は潰した。
残るは…あいつだけ。
視線を向ける。振り返ろうとしたその瞬間、左腕に突き刺さった何か。…注射器?
背後にはあいつ。
「ッ!!」
襟首を掴み、足を払い床に倒す。すぐさま馬乗りになり、首元に左手を翳す。