朱色の悪魔

「せっかくだし、あんたが大好きな方法で引導をつけてやるよ。…どう?自分が生み出した朱色の悪魔で死ぬ気分は」

「朱、やめ…」

「じゃあね、“お父さん”。地獄でまた会おうよ」

左手を、研究者の首に押さえつける。

赤色の悪魔が、研究者を飲み込み、蝕んでいく。

「っぐ…あ゛あぁああぁぁああ!!!?」

耳障りな悲鳴がとどろく。視線はそらさない。

こいつの死に様を目に焼き付ける。

たくさん苦しめばいい。それで、こんなものを作り出したことを後悔すればいい。

朱色の悪魔で、死んでしまった人たちの苦しみを、痛みを、無念を、憎しみを、憎悪を、すべて味わえばいい。

味わって、苦しんで、苦しんで、苦しんで苦しんで苦しんで苦しんで苦しんで。

それで、後悔の果てで息絶えてしまえ。
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