【完】私の世界はキミの色〜甘酸っぱい恋〜
「大丈夫?」
泣き始めて3分くらいだろうか。
急に声がかかった。
多分…知らない人?
ここは人通りが少ないから大丈夫だと思ったのに。
だから驚いて涙が引っ込んだ。
「ありがとうございます。なんか涙引っ込んじゃいました!」
そう言って笑った。
すると
「無理して笑わなくていいよ。付き合ってあげるから。」
そう言ってその人は隣に座った。
別に無理して笑ったわけじゃない。
「いえ、本当に平気ですから」
「平気なわけないでしょ?」
「なんで分かるんですか?」
私が言うとその人は太陽みたいに笑って
「泣いてるの見たから。」
と言った。
何この人!?
ってツッコミたいところだけど、そんな元気もなくて。
無理して笑ってたのかな、なんて思った。
そして、気づいたら涙かぽろぽろ落ちていた。
今度は元気が残ってない分口には出なくて、ただただ涙だけが落ちる。