【完】私の世界はキミの色〜甘酸っぱい恋〜
その代わり言いたかった言葉を口にした。
「ハル、もう一緒にいるのやめよっか?」
私が言う。
するとハルは驚いた顔をして
「は?なんで?」
と言った。
言うと思った〜、なんて呑気な事言ってられた頃に戻りたい。
まだ、ハルを好きじゃなかった頃に…。
「いや、ずっと私と一緒にいたら勘違いされちゃうよ?」
「何を?」
「ハルと私が付き合ってるって」
するとハルはハッとしたような顔をする。
きっと言われたことがあるんだろう。
「だからって、違うって言えばいいじゃん!」
「でも、信じてくれないよ。」
だって私がハルのこと好きなんだもん。
言われたらそう思われてるのが嬉しく感じちゃう。
だからきっと、私が否定しきれない。
いや、否定したくない。
「ハルも華桜に誤解されるの嫌でしょ?」
これで終わり。
私たちの謎めいた関係も、私がハルを好きなのも。
ハルの照れた顔や、驚いた顔を近くで観察するのも。
2人でくだらないことで笑いあうのも。
だって私とハルの関係なんてそんなものでしょ?
脆くて、いつ、糸が切れたっておかしくないの。
細い細い『友達』という糸が。
そう思うと涙がこみ上げてくる。