【完】私の世界はキミの色〜甘酸っぱい恋〜
「お待たせ〜!ハル!」
「おお!」
「こんにちは!三月の親友の中村華桜です。丘本春也くんだよね?」
「あっ、うん。って今更自己紹介っておかしいよな。同クラなのに。」
「ね〜。でも、丘本くん近寄りがたいもん」
「そおか?」
「いっつも女子に囲まれてるじゃん!」
「何だよそれ。俺が男友達いねえみたいに!」
「まあ、女子が周りにいても男友達も多いよね。」
「それは普通じゃん?多くも少なくもない。」
「えっ多いよぉ!」
初対面の2人。
なのになんでだろう?
私とハルより華桜とハルの方が距離が近く感じるのは…。
私が言葉を発したのは、最初の一言だけ。
でも、2人は今も私なんて居ないとでも言うかのように話し続けてる。
さすがにこの仕打ちは酷いよ。
私は気付かれないように屋上から出た。