内緒で優しくして欲しい
ふと、いたずらな気持ちが顔を出す。
もう少し彼に甘えたい。
「ねぇ、もう少し、本格的に気分転換してもいい?」
彼にむかって手を伸ばしたけど、彼はそれを制した。
「まだ定時になってない。あんまりサボってると、上司に叱られるぞ。」
笑顔でやんわりと私を叱った。
「でも、欲しくなっちゃたの。」
私は出口に立って廊下に通じる戸を閉めた。
密室になった給湯室で、彼と2人きり。
こんなところを上司や他の女性社員に見つかったら大変だ。
「おい戸なんか閉めて何するつもりだよ。」
彼が焦り始める。
「せめて定時になるまで待てないのか?」
「だって、今日は定時になんて帰れないもん。」
「我慢しろって。定時になったら、いくらでもかまってやるから。」
「イヤ。今欲しいの。」
「今はマズいって。」