おばあちゃんが死んだ日
大丈夫だと信じたかったのかもしれない。
呼んでも、祖母は返事をしなかった。
目は開いているのに、視線は合わない。
何度も呼ぶが、意識があるのかないのかもわからない。
私は何も言えなくなってしまった。
「んー」と苦しそうな呼吸が一定のリズムで聞こえる。
痙攣を起こしている祖母の身体。
叔母に促され、私は祖母の手を握る。
とても細くなってしまった祖母の手。
意識があってのことなのか、呼吸が苦しかったのか、はたまた別の理由があったのかはわからない。
祖母はわずかに私の手を握り返してきた。
「おばあちゃん、頑張って!頑張るんだよ!」
周りの親族達は祖母にそんな言葉をかける。
私は苦しそうな祖母の姿を見て、そんな言葉をかけることはできなかった。