おばあちゃんが死んだ日
おばあちゃんが死んだ日
あまりの苦しさに祖母は暴れ出し、呼吸マスクを外そうとする。
祖母はすぐに看護師さんに押さえつけられ、あまりの勢いに私と祖母の手は離れる。
涙は止まらなかった。
みんな泣いていた。
私は心電図や血圧を見ていた。
そして今がどんな状態かを把握する。
こんな状況の中で心電図や血圧のモニターを見て、分析してしまう自分が嫌だった。
看護師さんが医師を呼び、部屋に医師が駆け付ける。
医師は苦しそうにしている祖母を一目、親族を部屋の外へ連れ出した。
「随分と苦しそうなのでね、鎮静作用のある薬を打とうと思います。そこでですね、この薬は人を直接殺すわけではなく死期を早めるんですが……。ええ、よろしいですか?」
モルヒネのことだとすぐにわかった。
嫌だ、と言いたかった。