おばあちゃんが死んだ日

それから数日後には学校へ登校し、勉強漬けにされる日々が始まった。
先生達に与えられるプレッシャーに耐えながら過去問のワークを捲っていく。
わからない箇所は友達に質問するなど、自分は作業療法士になりたいのかわからないまま知識を身につけていった。

そんなある日の出来事だった。
昼休みに入ると同時にiPhoneのディスプレイを見た。
母からの着信があったので掛け直す。
ワンコール目で母は出る。


「美月!?」


やけに慌てた声だと感じた。
何かあったのだろうか。


「何?」
「おばあちゃんが危篤状態だって!」


少し震えた母の声が耳に響いた。
私は何も感じなかった。

そんな自分を最低だと思った。
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