円満破局
今はそんなはるくんと過ごす、夏休みを目前に控えた日々の昼休み。
わたしは、教室で彼と机をくっつけて一緒にお弁当を食べていた。
と言っても、ただでさえ食べるのが遅いのにわたしがぼーっとしていたせいで、はるくんひとりが昼食を終えることに。
せめてこれ以上はるくんに気を遣わせないようにと、慌てて口の中にポテトサラダを入れる。
「えっと、確か夏休みの話だったよね?」
「うん。笑花さえよかったら、どこかに遊びに行きたいなって」
表情は固まり、ハンバーグに伸ばした手も止まる。
ぱちぱち、とまばたきを繰り返した。
わたしさえよかったら、なんてそんなの。
「いいに決まってるよ!」
思わず身を乗り出せば、位置が変わって冷房の風が火照った頬を直接かすめた。
わかってないね、はるくん。
わたしははるくんと夏休みに会えるってだけで、飛び上がりそうなくらいすごく嬉しいんだよ。
やっぱり去年とは、付き合ってなかった頃とは違うんだなぁ。
彼女ってすごい、と自然と頬が緩んじゃってにやにやが止まらないよ。
「いいに決まってますか」
「もちろんです」