円満破局
どうやら例によって例のごとく、彼らははるくんに勉強を教わっているみたい。
そういえば、付き合っていた頃もはるくんが友だちに勉強を教えるからと放課後の教室に残ることが少なくなかった。
わたしは気まずくて、図書室で待つことの方が多かったけど。
だからといって彼らみんな勉強が苦手なわけじゃない。
これで真面目にやったらわたしより賢い人ばかりなんだから、やっぱりはるくんの友だちって感じがする。
なんて言うか、うん。
勝ち組……みたいな、そんな印象を受ける。
こんなことばかり考えて、ばからしいって自分でも思ってる。
視野が狭い、ネガティブ、色眼鏡、……わかってる。
わかってるよ。
だけどどうしたってそう感じて、気にしてしまう。
差を自分から見つけて、距離を取ってしまうからこそ〝負け組〟なのだとしたら、否定のしようがない。
だって、それがわたしなんだもん。
自分で自分の大切なものを失っていく、わたしなんだもん。
唇をきゅっと噛み締める。
歯がそれを傷つけるとわかっていても、こみ上げる感情を堪えるためにどうしたってしてしまう。
傷がつくことで、この苦しみがなくなるのならよかったのに。
だけどそんなことはありえない。