円満破局
ひとりよがりな考えで、こうしてくれたらって望んで。
そして理想と違った彼の選択に、傷ついた。
すごく押しつけがましい。
ばかみたいだよね。
でも、今なら、はるくんと本音をぶつけ合った今なら思う。
……わたしたちきっと、同じだったんだ。
わたしは、はるくんとの別れを選んだくせに、綺麗な形の別れを押しつけたくせに。
別れたくなかった。
別れたくないって言われたかった。
はるくんは、わたしの気持ちを汲んで、笑って別れを受け入れた。
それなのに傷つくことをかわっていても、自分を選んで欲しいと思っていた。
わたしたちふたりとも、別れたくなんてなかった。
別れなくてよかったんだよね。
……だけど、お互いさまだったなら。
「ねぇ、はるくん」
「なに?」
「わたしたち、別れたけど、きっと本当の意味でお別れしたわけじゃなかったんだね」
だってそうでしょう。
こんなにも相手を思っていて、悩んで苦しんで求めて。
そんなの、大好きって答えしかないもん。