円満破局
円満に終わることができる恋だったなら、きっとこんなに苦しくなかった。
……傷つかなかった。
世の中には言葉を交わして、お互いに納得したうえでの円満な別れだってある。
だけどわたしたちは違ったね。
上辺だけの会話で、本当の心をなにひとつ伝えていなかった。
理想の形を押しつけて、傷から逃げて、それが余計に辛くて。
とても、とても痛いそんな恋。
だけどそれでいい。
もがき、苦しむこの恋こそが、わたしたちにとって大切なものなの。
たくさん間違えたけど、間違えたから気づいたことがある。
余裕ぶってないで、大切なものを欲しがること。
それはきっとわたしたちにとって必要だったんだ。
だから、もう1度。
終わってなんかいなかった、君との恋の続きを始めよう。
なにがあってもそばにいる。
逃げないで、はるくんのそばにいるよ。
君がわたしを選んでくれると言うのなら。
周りの目がこわくても、分不相応だと思っても、劣等感にかられても、頑張れる。
君の彼女じゃない方が、嫌だから。
失えない、恋だから。