円満破局
わたしもはるくんも、想いを伝えるのに必死だったからきっと顔はぼろぼろ。
わたしなんて泣いちゃったから、きっとはるくんよりずっとひどい。
目の下がひりひりと痛む。
だけど、彼の名前を呼んだ。
「ねぇ、はるくん」
ん? とはるくんが首を傾げる。
いつもみたいに柔らかい笑みとともにえくぼが覗いて、やっぱりとても可愛い。
「あのね……」
「なに?」
勇気を出して、自分からそっと手を伸ばす。
はるくんの手に自身のものを絡めた。
「っ、」
ぐっと手を下に引き、はるくんに顔を寄せてもらった。
そしてとびきり甘く、彼の耳に囁く。
そうするとはるくんは目を見開いて、わたしたちの始まりの時のように顔を真っ赤に染めあげた。
「大好きだよ」
わたしはこれからも、ずっとずっと。
彼が「花みたい」と言ってくれた笑顔を、満面の笑みをはるくんの隣で咲かせ続ける。
fin.