恋したら裏切りですか?〜甘い香りに誘われてⅢ
早川君が動いた。

「ここ。薔薇5つをカラーの根元に、
流れるように」

「5つとも?こう?」

言われたとおり、薔薇を刺してみる。

シックで、ノスタルジックなアレンジの完成だ。

「うん。いい!さすが都だ」

私の頭をヨシヨシしてくる。

「もう!ヨシヨシはやめてよ?」

髪を直しながら抗議する。無造作とはいえ、一応、整えてるつもりなんだから。

「だって、都が小さいから、ちょうどいい高さに頭があるんだもん」

床にしゃがんだ早川君が、上目遣いに私を見るが、身長160センチの私は、決して小さくはない。
180センチもある早川君がデカいんだ。




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