恋したら裏切りですか?〜甘い香りに誘われてⅢ
「早川君、まさか一晩中ここにいた?」


早川君が目を伏せる。


「すぐに追いかけたけど、見失ったから。スマホ…鳴ってた。本当にごめん」


受け取ったコートのポケットからスマホを取り出す。

早川君からの着信の他、葵さんらの着信やメールも入ってる。


頭を下げる早川君の前に立つ。


「早川君、あなたの気持ちに応えることは出来ない」


「………っ!」

ハッとしたように顔を上げ、私を見つめる。













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